偏りをもたらす思い込み

 

『認知バイアス』とは‥
思い込み、認知の歪み、発想の偏り、偏見、先入観などと表現されたりもするお馴染みのやつです。

私は、動画コンテンツの中で『本人にとってだけ真実といえる妄想的な発想』と表現することが多いいつものあれです。

これのやっかいなところは、『勘違い』や『誤解』かもしれない場合でも、そうと考える余地が全くなく、揺るぎない真実かの如きリアリティをともなった解釈や感情(主観)が起きているという点です。

たいてい不都合な発想、嫌な感情はこれが介在しますね。

心理学等々では以下のように名前や分類されてたりするいくつかのパターンがありますので、せっかくですから、バイアスのパターンにつけられたニックネーム?!毎に紹介していこうと思います。

まだまだあったはずですが、とりあえず思いつくだけ羅列しました

いっぱいありすぎ~。
世の中、どんだけバイアスだらけなんだよん(笑)

■敵意帰属バイアス
■持続性バイアス
■公平世界仮説
■権利への執念
■確証バイアス
■正常性バイアス
■後知恵バイアス
■アンカリング効果
■自己奉仕バイアス
■ゼロサム思考
■ツァイガルニク効果
■偽の合意効果
■コンコルド効果
■ダニング=グルーガー効果
■ ベテランバイアス
■内集団バイアス
■バンドワゴン効果
■ハロー効果
■バーナム効果
■フレーミング効果
■リスキーシフト
■プロスペクト理論
■観察者効果

■敵意帰属バイアス
他者の言動の原因が、敵意や悪意によるものだと認識してしまう心理的傾向のこと。

例を挙げてみましょう。
・単なる意見の相違を、批判されたように感じる。
・質問をされただけなのに詰問されたように感じる。
・褒められたはずなのに嫌味や皮肉を言われたように感じる。
・話をしているだけなのに否定されたように感じる。
このバイアスで、超落ち込んだり、怒ったりしてませんかぁ?

■持続性バイアス
自分の感情がずっと持続すると思ってしまうバイアスです。

よくあるのが‥
・変わろう努力しようと思って何かに取り組んでも3日坊主になってしまう。
・運動器具を買って最初はやる気満々で運動していたけど、めんどうになってやめてしまう。
などです。

持続性バイアスはプラスの感情だけでなくマイナスの感情にも働きます。

「失敗した時、ものすごく落ち込んで、立ち直れないほど感情が長引くんじゃないか‥」と思って、行動を抑制したりする原因になったりします。
例えば、恋愛とかに消極的なったり、新しい物事を始めるのをためらったり。

感情は長く続かないのですから、変わろう、努力しようと思い行動を始めたときの感情はそもそも途絶えやすいのです。

根性や継続ということを、あまりにも『善』とすると、「やれそうにないから初めからやめておこう」など、反動としての諦め癖が全面にでてきたりします。

完璧主義に陥ると、自分へのダメ出しの原因となってしまうバイアスでもあります。
心当たりありませんかぁ?

マイナスの感情も長く続かないので、失敗して落ち込んでも立ち直れるし、一時的なストレスフルな感情は、短い間感じても問題ないうえに、物事を進める上では多少必要ですよね。

■公平世界仮説
人間は、そもそも理由もない出来事を嫌がりやすく、不安になりやすい傾向があります。

そのため、何かしらの出来事には『理由や原因があって欲しい』と思いやすいのです。

また、『自分の頑張りには結果が伴ってほしい』と願っています。

こうした思いから、良いことをしたら良いことが起こる、悪いことをしたら悪いことが起こる、といったような秩序のある法則を信じたい気持ちになりやすいのです。
これを『公正世界仮説』と言います。
『出来事には必ず理由や原因がある』と思ってしまうバイアスです
これ、バイアスなんですよー!

■権利への執念
『俺はこう信じているから、君もこうすべきだ!』という考えがこれにあたります。

自分が信じている事が相手も信じているとは限りません。

化学に基づく根拠があるなど以外は、例え自分が正しいと思うことでも、あくまで自分にとっての主観的な正しさでしかないので、相手に押し付けるべきものではありません。
バイアスなので区別がつきません。
正義警察っていうのはこれですね。

■確証バイアス
ごく少数を、『みんな』という風に一般化して捉えてしまうバイアスです。

例えば子どもが、欲しいゲームを「みんなが持っているから買って!」とおねだりしたりするシーン。
よく考えてみると、『みんな』とはせいぜい3、4人ぐらいだったりします。

周りのせいぜい2.3人に反対されたりしただけで、『みんな』反対するから、やめとこうとか思ったり。
これは確証バイアスによるものです。

■正常性バイアス
正常性バイアスとは、自分に都合の悪い情報を無視してしまう心理です。

深刻な事態でもそれを異常事態と受け止めず、正常範囲のことのように軽く捉えてしまいます。

なぜこういった心理傾向があるかというと、普通に日常生活を送る中でも、予期できない出来事はたくさん起こるので、初めて起こることや予想外のことにいちいち緊張したり過剰に反応したりを続けていては精神的に疲弊してしまうので、大丈夫だと思いたいという希望を心理にすり替えてしまうのでしょうね。

ある程度は、動じないという態度も大切ですが、『根拠なく軽く考えたり、深刻に受け止めない』というのと、『落ち着いてよく考えた上で大丈夫だと判断する』ことは全く違います。

大地震などの災害が起きた際に、人間は最悪の状況をイメージすることができず「まだ逃げなくても大丈夫だろう」「すぐに収まるだろう」と考えてしまい、逃げ遅れ、被害が広がってしまうことがあります。

『大丈夫だと根拠なく思い込む』のではなく、『ちゃんと確かめてそれを根拠としたうえで大丈夫』と思うことが大切ですね。

■後知恵バイアス
後知恵バイアスとは、物事が起きたあとに「予測が可能だった!」と錯覚してしまう心理です。

「だから言ったのに!」や「やっぱりそうだと思ったよ!」と、つい言ってしまうことはありませんか?
特に女性のみなさん、子ども、夫、彼氏にこんな発言よくしてませんか?

それはこの後知恵バイアスによる心理が起きているからかもしれません。

例えば、周りの人が破局したときに「最初から2人は合わないと思ってたんだよね!」と言ってしまうことがあるかもしれません。

実際に予測できていた場合もありますが、多くの場合、実は後知恵バイアスにより『予測していなくてもこうなることを知っていたような気分になってしまう』のです。
このバイアスの事を知ったとしても、「私、いつも予測できてるタイプだし~!」という思い、それがバイアスの特徴的感じ方かもしれませんよ~。
面白いですね。

■アンカリング効果
アンカリングとは、先に得た情報によって選択が変わってしまう現象です。

例えば、同じ商品でも定価1万円が5,000円になっているときと、初めから5,000円で売られているときとでは、前者の方がお買い得に思えてしまい、購買意欲が高まってしまうものです。

お店の作戦に引っかかりまくってませんかぁ?

マーケティングの観点では、日々このようなあバイアスなどを利用したマーケティング戦略が至るところに仕掛けられてるんですよぉ

■自己奉仕バイアス
自己奉仕バイアスとは、成功したときは「自分が頑張ったおかげ』、失敗したときは「周りの環境が悪かったせい』と思ってしまう心理のことです。

例えば、企画したイベントが大成功したとき、自分の頑張りのおかげだと思って嬉しくなることがあるかもしれません。

反対に、失敗したときは、周りの人が手伝ってくれなかったからだと思ってしまいがちです。

成功要因が周りの尽力のおかげであったり、または失敗要因は自分の努力が足りない場合もあったりするのに、自己奉仕バイアスによってこのような考えに至ってしまうのです。
自分が認められない、周りが悪いといつもイライラしがちなのは、案外このバイアスのせいかもですよぉ。

■ゼロサム思考
ゼロサム思考とは、『Win-Winは存在しない』と思ってしまう心理のことです。

『自分が損しているとき、相手は得しているに違いない』と思ってしまうのです。

このようなゼロサム思考が強いと、取り引きなどで相手と自分にとって良い方法を模索せず、自分が得する条件をいかに通すかに固執してしまいます。

■ツァイガルニク効果
ツァイガルニク効果とは、完成されたものよりも途中で終わったものの方が、強く印象に残りやすくなるという現象です。

このツァイガルニク効果がよくわかる例がCMです。CMで「くわしくはウェブで! 」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか

そして実際に商品名を検索するなどの行動を起こしたことがある方もいるかもしれません。

必要な情報がすべてCMに入っていたら、このように自分から深く調べようと思わないでしょう。
中途半端だからこそ気になってしまうというのがこのツァイガルニク効果なのです。
やっぱ世のマーケティングにやられっぱなしになっちゃますよね、このバイアスがあると。

■偽の合意効果
偽の合意効果とは、自分の考えが一般大衆と同じと思い込んでしまう現象です。

例えば、「自分が痩せている人が美しいと思っているので周りもそうだろう。」と思ったりすることです。

しかし、自分の常識は相手にとって非常識であったり、自分が良いと思って言ったことが裏目に出たりしやすいので、知らずに価値観の押し付けをしてしまったりするバイアスになります。

■コンコルド効果
コンコルド効果とは、それまで投入した労力やお金などを惜しみ、今後も損失が出るにも関わらず投資をやめられなくなってしまう心理です。

クレーンゲームでぬいぐるみを取ろうと頑張っているとき、「ここまでお金を払ったんだから取れるまでやろう!」と意固地になったりするのもこのせいです。

これはコンコルド効果によって、後には引き下がれない気持ちに自らを追い詰めてしまったりします。

■ダニング=クルーガー効果
ダニング=クルーガー効果とは、自分のことを実際より美化したり、過大評価したりしてしまう現象です。

うぬぼれがこれに当てはまります。ダニング=クルーガー効果が強い人は、自分は他の人よりも面白いと思っていたり、すごいと思っていたりするので、他者にとって話がつまらなくても話し続けてしまう傾向があります。

■ベテランバイアス
上記で紹介したダニング=クルーガー効果は能力や経験のない人が陥りがちな心理バイアスです。

逆にベテランバイアスは知識や経験が豊富なベテランが陥ってしまう心理バイアスです。

自分には経験があると思い、能力を過大評価して、深みにはまってしまいます。

例えば、自分は長年車に乗っていて無事故でゴールド免許だから事故を起こすはずがないと思ってしまうのはベテランバイアスが働いています。
ベテランだから事故を起こさないとは限らないからです。
油断、慢心を誘発しやすいバイアスです。

■内集団バイアス
内集団バイアスとは、自分の属している集団は他の人に比べて優れていると思い込む心理バイアスです。

自分と同じ会社の人だから、意識が高くて優秀に違いないと思ってしまうことがこのバイアスに当てはまります。

身近な言葉であらわす「贔屓(ひいき)」がこの内集団バイアスにあたります。

■バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、ある製品や事柄に対し大勢の人がそれを支持している場合、その製品や事柄への支持がよりいっそう高くなるといった現象のことをいいます。

バンドワゴンとは、パレードなどの行列の先頭を行く楽隊車のことを指し、バンドワゴンに乗るというと、時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗るといった意味になります。

「みんながやっているから」「みんなが買っているから」「みんなが美味しいっていってるから」という理由に基づく安心感、購買欲求などがこれに当てはまります。

そりゃ、当然ネットの口コミ大事わけだぁ。

■ハロー効果
ハロー効果は、知らず知らずのうちに自分を騙してしまうバイアスです。

一旦判断を下したあとで、様々な情報を後から伝えられたとしても、最初の判断内容を高める情報をより信じてしまう(正当化する)心理のことです。

人間の脳は考えることに面倒くさがりな部分があり、過去の成功や失敗体験から、ある程度直感で判断するようになっています。

これを心理学用語でヒューリスティックと呼びます。

日本語で経験則のことを指し、これがあることで素早く情報を判断することができる反面、先入観や、偏見から判断をしてしまうという弊害も生みます。

■バーナム効果
誰にでも当てはまるような一般化された言葉を、あたかも自分のことだけのように受け取ってしまう心理のことです。

バーナム効果は、メンタリストや占い師などが相手の心を読んでいるように見せかけるテクニックとして利用されてたりしますね。

バーナム効果テクニックは、相手の心を当てるということではなく、単に当たっているかのように思わせるテクニックなのです。
ここでも、バイアスにやられちゃいますよね。
みんな大好き占い。

■フレーミング効果
フレーミングは、「解釈の枠組み(フレーム)』というところから来ています。

私たちは文章などで物事を理解する時に、常に無意識に何らかの『解釈の枠組み』を使っています。

人は意思決定をする場合、情報の意味する内容が一緒であってもその問題認識の心理によって結果が異なる傾向があります。

たとえ内容が同じであっても見せ方や表現を変えることで印象が変わる心理作用を
『フレーミング効果』といいます。

例えはこんな感じに‥
1.どちらの手術を受けますか?

A:100人中10人が失敗する手術

B:成功率90%の手術

実は内容がまったく同じにも関わらず、なんと『Bを選択する人の方が多い』のです。

商売する方は、マーケティングは言葉や表現がすっごく大事ってことがわかりますよね。

消費者としては、このバイアスを知ることにより、表現に騙されない賢い消費者でいられますね。

■リスキーシフト
リスキーシフト(risky shift)とは、普段は慎重に判断をし、節度ある行動がとれる人が、集団で判断することで、より危険でリスクの高い決断を容易にすることです。

『赤信号、みんなで渡れば怖くない』というのは、まさにリスキーシフトを示すものです。

この例以外にも、世の中にはリスキーシフトの危険な罠が実は多く潜んでいます。そのため、リスキーシフトを理解しないでいると、危険な罠にひっかかる可能性があります。

『リスキーシフト』は、『コーシャスシフト』という言葉とセットで用いられら、どちらも『集団極性化現象』です。

集団になることで極端な方向へ向かいやすくなる現象のことです。

『コーシャスシフト』は、討議を進めていく中でリスクを回避しようとする傾向が強まり、個別回答よりもさらに慎重な判断となっていく現象などです。

変革するリスクを嫌って、結局「現状維持のまましか仕方がない」というような消極的判断となった場合は、『コーシャスシフト』したことになります。

話合ったわりに、「前年通り‥」ってやつよくありますよね。

■プロスペクト理論
これまでいかなる場合も合理的に行動すると思われていますが、損得が絡むケースでは『非合理的な行動』を取ってしまう原因となる心理です。

人は、とにかく『得するよりも損したくない』のです。
一万円を手に入れる喜びよりも、一万円を失うショック。

『どちらも同じ一万円』なのに、失う一万円の方がはるかに大きな出来事に感じたりします。

よく考えたら、そんなことわかるのにねぇ、つい損したことを拡大しちやってませんかぁ?

■観察者効果
観察者バイアス (Observer bias)とは、観察者がある期待した結果を得たいと考えているとき、期待している結果ばかりを意識しすぎて、それ以外の結果を見過ごしたり、軽んじたりする傾向のことです。

実際には無意味な結果が得られていても、無理やり期待した結果に合わせるように理論づけたり、解釈したりして都合よく考えてしまう傾向のことです。

認知不協和を埋めちゃうってことをやってしまうバイアスですねぇ

認知バイアスは、自分が正しい、優位でありたい、願望を通したい、思い通りにしたいという心理がベースとなっています。

記憶回路がいつもそれを再現してるということですが。